アメリカ外交 村田晃嗣

アメリカ外交 (講談社現代新書)

アメリカ外交 (講談社現代新書)

パワーの源は力(軍事力)、富、価値の3種類あり、アメリカ外交は時代によってこの3つのうちいづれかに比重を置く。
主な外交は4つの主義からなり

(1)ハミルトニアン(富 ≒親英)
海洋国家(自由貿易) 対外関与に積極的 国力の限界に楽観的
(2)ジェファソニアン(富 ≒親仏)
大陸国家(孤立主義) 選択的な対外関与 国力の限界に自覚的
(3)ウィルソニアン(価値)
普遍的な理念を外交目標として追求(国連、人権etc.)
(4)ジャクソニアン(力)
国権の発動や国威の効用を重視 軍事力に傾斜

例えばモンロー宣言はジェファソニアン的ジャクソニアン
ネオコンはウィルソニアン的理想をジャクソニアン的手段で実現を目指すといったように
この4つの主義の複合で説明できるという。*1
非常に分かりやすく、新書の鑑。
ただまぁ、何か新しいことが書いてあるという事は全く無いのでまとめ本ということでひとつ。

*1:もちろんハミルトニアンとジェファソニアンは正反対なので、この複合はありえない