れびゅーその6

最近「絶望した!」って叫んでないねこの漫画、と書いたら先週叫んでましたね。
と書こうと思ったら、ヒューズとぶ前の分か...
久米田先生もこのBlog読んでますとか、うそぶくことできないじゃないの。


表現の自由を脅すもの (角川選書)

表現の自由を脅すもの (角川選書)

うーむamazonにも在庫ないのか。
図書館戦争』でこのblogに飛んできた人にはこの本をぜひ読んでもらいたい。
いや飛んできてない人も読んで。というか嫁。


大学の図書館で最初に借りた本だったように記憶している。
自分にとってこの本は座右の書。2回買ったのだが、2回とも捨てられて今手元にない。
タイトル失念してたので色々検索してみたもののヒットしなかったので紹介するのを半ば諦めてたが
宮崎哲弥のブックガイド読んでたらこの本が載っていた。しかも何度も。
おかげで地元の図書館行って借りる事ができたんだが...10年前の本なのに誰も借りてなかったじゃないの。


図書館戦争』では表現の自由を守る必要があると何度も訴えてはいるが、
残念ながら何故それほど大切なものか、説明がなされていない。
もちろん、説明がなされてないからこの本はダメだ、なんて事はいわない。
そもそもラノベであり、商業的小説である。
読者をいかに楽しませるかを最大の目的とし、敬遠されがちな小難しい理論はなるべく抑えるべきだ。
より多くの人に表現の自由の大切さを訴える、ラノベに課せられている訳でもないこの問題を取り扱っただけで私は評価する。
良化委員会側の言い分がほとんど描かれていないことに対して恐らく批判があったんだろう、
『図書館革命』のあとがきにそういった事柄は書くつもりはない、と表明している。
ラノベ的には正しい。
読者が望んでるのは王子様であり、わざわざ王子様が間違ってるかも?という疑念を持ち出す必要がどこにあるのか。
何が正しくて何が間違ってるか、証明する使命があるのは哲学だ。



図書館戦争』の中で表現されている
差別的だと言われる表現をほんのちょっと使っただけでこんな素敵な本が読まれる機会を失うのは間違ってる、
という言い分は正当であり、心情に訴えるものがある。
しかし、この心情は例えば「こんな素敵な本なのにほんのちょっとの差別的表現で人を傷つけるから、これを修正すべきだ。」
のような差別的発言で傷つけられる人の心情と相殺してしまう。


少し想像してみよう。
もしも郁がある本の差別的表現でトラウマを受け、この本を良化委員会で審査するよう依頼しに行く。
発言や表現で人の心を傷つけることに何のためらいもない邪悪な図書隊の人間が、銃を持って郁に訴えないよう強迫してくる。
そこに王子様が現れ、図書隊を追い払う。
「君は体を張って心を守った」
かくして人権意識に目覚めた郁は王子様を追って良化委員会への入会を決意し、
この世にはびこる差別や偏見を助長する本を削除する戦いへと赴くことになる。


このように、正反対*1のストーリーだった場合、
あなたはこの本に書いてある事はおかしいと感じることができるだろうか?


また、床屋の話では当人が差別的でも何でもないという訴えで差別的表現を否定した。
だがこれはあくまで個別対応。
盲(めくら)はどうか?四つは?となり、規制範囲を広めるか、狭めるかといった問題に収束する。
結果として検閲の非正当性には至らない。


なぜ表現の自由は大切なのか。
2時間ほど簡潔に説明できないものかとあれこれ考えてみたが、中々難しいw
本のタイトルで検索して、ヒットしたところ適当に見れば何か書いてるじゃないかな、とか
この本に書いてある、とか丸投げしておこう。


図書館革命

図書館革命

このシリーズでちょっと弱いな、と感じてたのはネット関係と海外からの視点。
ネット関係は図書館HPでちょろっと扱ってたが、今言論統制するならTVなどのメディアよりも真っ先にネットでしょう。
中国で実際行なわれてるだけに、もう少しネタとして生かせたと思うのだが作者詳しくなさそうだしなぁ。
海外からの視点は、この最終巻で一応絡めてくれた。
一番感心したのは、結末が図書隊の発展的解消へと向かってる点。
一番心配したのは、差別的表現がいくつか見受けられて、それがTVで放映されるのかどうかだw


余談だが、blog移行前は「   ましか」というHP持ってまして。
1stガンダムの再放送でアムロが「ましか!」と叫んでたのに憤慨して付けた名前だったんですね。
検索しても引っかからないような名前を付けようという意図が第一ではあったんですが、
一般的にタブーとされているものにも目を光らせようという意図も付け加えた記憶が。
本放送ではちゃーんと「目くらましか!」と叫んでたのに恐らく放送コードに引っかかったんでしょう。
コレが盲人に対する差別的発言だと思いますかね?
そもそも差別的発言が規制されるべきだとは思わないんですけども。


ロッキン・ホース・バレリーナ (角川文庫)

ロッキン・ホース・バレリーナ (角川文庫)

うーむオオケン文才もあるのか...
恐らく「特撮」で全国回ってた頃とメジャーデビュー前の体験を元にしてると思うが、
ちょっと病んでる方々が夢に向かって走る非常に甘酸っぱい青春小説。
しかしワンフーをぱくぱく喰ってる理由を「ガンプラをコンプリートするようなもの」とかどういう表現力ですか。
リストカッターとか近親姦とかちょいと引くかもしれんが、
ナ○女とかがOKな現状を考慮するとフツーの人にも薦められるのかしら。
...いや一般的には○タ女はOK出ないのか。


「楽屋女に手を出すな」の辺りは、古傷がちょっと痛んだ。
まぁどのみち対象外ではあったんだが、本人の意向を考慮しなかった理由はこういう事だったんだなぁと最近ようやく気づいた。
共同体に重きを置いてたんですね。
甘酸っぱい思い出だ。

*1:真逆という表現にはまだ抵抗感がある。誤った日本語だというつもりは毛頭ないが