日本経済を問う 伊東光晴
- 作者: 伊東光晴
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/11/29
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ただ、イギリス経済学が専門だからか、アメリカの経済学がお嫌いらしい。(主にシカゴ学派?)
特に小泉改革は本当にお嫌いらしいw
まぁ個人的にはある程度共感するのですが。郵政民営化に関しては若干ズレはあるけど。
最も批判をしているのは、村上ファンド代表の村上世彰氏が一時期叫んでた株主のための企業(stockholder company)への流れか。
日本やEUのようなStakeholder theoryへの回帰を求めるのは三宅久之氏も同様の主張をしている。
個人的に一番参考になったのは、金融緩和がもたらした間接金融方式から直接金融方式への構造転換。
これは常識なのかもしれないが、金融は苦手な故ノータッチだったという、単にウリが勉強不足なため知らなかったw
だから長銀、興銀、日債銀が破綻したのか。なるほど納得。
で、バブル不況の原因と、不況対策としての低金利政策、量的緩和、減税が全く効果がなかったと批判する。
当時からそう主張されてたと言われては、今のところ仰る通りですねとしか言いようがないなぁ。
理屈も通ってそうな感じだし。
ただ、対策は何?と見てみると、治療よりも予防の方が大切と前置きしながら、直接の対策は増税して財政出動に回す、ってのは(苦笑)
まぁ消費税の引き上げは不適切かもと書いてはいるが、不況下での増税が政治的に通るとはとても思えんw
確かに不況になればみんな貯蓄に回し、それが景気の悪循環を招くというのは分かるし、だから貯蓄を減らすために増税、というのは
理屈としては分からないでもないのだが。
全般的に気になったのは基本的に視点が国内経済だけで完結してるところ。
お嫌いだからかもしれないけど、グローバリゼーションな視点も必要だと思うのだが。
そういや、食料関係は非課税にするという案はどこへ行ったのかしら。
消費税10%にするという案が出たとき、低所得者への配慮ということでこの案が復活してもいいと思うのだがな。
- 作者: 仲正昌樹
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「”統一教会”入信体験を持つ著者が説く現代思想の落とし穴」
と書いているように、売りは11年半統一教会の信者だったという経歴だろう。
それが書いてなかったら実際手にとって読んでないしなw
微妙にタイトルに偽りあり。
思想史を紐解いて、いかに哲学が宗教化する恐れがあるかというのを書いているので、こと現代思想に限らない。
内容的には所謂二元論に関するもので、個人的にその話は本田透センセイでお腹いっぱいだw
ただ、さすが元統一教会信者。
キリスト教(統一教会的にはキリスト教の一派だしな)、統一教会、マルクス主義(反共だから詳しい)からみた記述は中々面白かった。
結論としては「『形而上学を克服』することは不可能である」「相対主義で超OK」
うむ、自分の考えと全く変わらないから得るところがないぞ。