「朝日が早くなくなれば…」 橋下知事が批判エスカレート

まぁ朝日廃業しるとかのたまった話はどうでもいいです。
注目したいのはここ。

さらに、全国学力テストについて、大阪府内の市町村別のデータを朝日新聞が掲載しなかったことについては「自分たちが良識だと思い上がって、何でも反権力なのが朝日。だから、僕が出そうとしたデータを出さなかった」と語るなど、批判は止まらなかった。

ウチは朝日新聞取ってるんですが、公表という記事は1面にあったもののデータが出てないので「あれ?」って思い
関連記事の方に載せてるのかと31面を見ても載せてないのを見て「また朝日がやりおったわい!」と思っていたので
後で問題になったのを見てああコレ書いてたら株が上がったのになぁという忸怩たる思いが。


ただね、地方の話題だからなのか、ネット上で府内の市町村別データ見つからないのはなじぇですか
ちゃんとネット上で情報が保存されないと意味が半減しますぜ。
全国版なら毎日に載ってたのだが
府のHP検索してもhitしねーし。情報公開請求に対しての開示なので、請求者にしか開示しないのか?コレ。
図書館行ってデータ丸写ししてこようかしら。

データありましたね。こうふうかむさ。
で、公開の是非に関する話題をしたいのですが。


小中学生の実際の学力のデータを参照せずに、小中学生の学力に関する議論することは可能なのか
これは断じてNOでしょう。少なくとも学力テストをする意味はあると思われます。
議論はひろく一般にするより、文部省や教育委員会に任せた方が良いのか?
多少意見は分かれるかもしれませんが、コレもNOでしょう。あらゆる人間が批判することによって議論は深まるはずです。
データ公表するメリットに関してはほぼ論を俟たないと思いますね。
問題はデメリットですが。


前出のリンクから批判的なコメントを参照してみる。

 「知事、府教委との信頼関係は崩れた。このままでは一緒に大阪の教育を立て直すことはできない」
豊中市山元行博教育長

今まで信頼関係が築けてたとしたのなら、なして今のような状況になってるか?という疑問が沸きますね。
確かに崩れることは誉められるべき事ではないかもしれないが、状況を良くしていく為には双方の批判が必要だと思いますね。

「今でも『人気の小学校近く』とうたう住宅広告があり、学校の序列化は進んでいる。今回の公表で拍車がかかるのは間違いない」
ある市の男性小学校教諭(45)

この懸念は考慮に値する。が、単に学校の序列化は良くないという所で思考停止すべきではない。
橋下知事は「公表してみなければ序列化が進むかどうかわからない」と述べている。これは行政の人間として少し無責任な発言ではある。
以前学力テストが行なわれた時に、データが流出して問題になった事が度々あり、それが学力テスト廃止の原因になったらしいし。


公表の本来の目的は、データを公表することによってどこに問題があるかを議論する素地を作ることだと思う。
で、何を解決するか?解決する事柄のうちの一つは、問題あるところを良くして序列化を止める、なくすことではなかろうか。
序列化の表面化を恐れてタブーにする方がよっぽど問題解決を困難にしていくと思うのだが。


今回のデータ公表に関して、橋下知事関西テレビの報道番組「ANCHOR アンカー」に出演した際にこのような趣旨を述べた。
「今回のデータ公表で最も大切な箇所は、児童生徒質問紙調査と学力調査との関係のデータである。マスコミの皆様はこれを一緒にを公表してほしい。」
少なくとも上のリンクでは

また、府が同時に公表した学習状況の市町村別調査結果と照らし合わせると、「家庭学習が30分以下」「朝食をあまり食べない」という児童・生徒の割合が少ない自治体ほど、各分野の正答率が高い傾向にあった。

と記述されているだけで、データは公表されていないが、非常に興味深い。
最も顕著な項目は、「毎日朝ごはんを食べてますか」という質問。
箕面市がデータを公表してるので見て欲しい。
毎朝食べていると答えた生徒に比べて、毎朝食べていないと答えた生徒の正答率が、
小学校の国語A、算数Aでは15%、国語B、算数Bでは10%、中学校の国語AB、数学ABでは20%(もしくはそれ以上)も下がっている。
ゲームをする時間も、1時間以内とそれ以上では顕著な差があるのもまた興味深い。


そして、こういった児童・生徒の割合が少ない自治体ほど、各分野の正答率が高い傾向にあったとするならば、
学力成績のデータは、どの学校や地域が頭が悪いかではなく、どの学校や地域の児童・生徒に生活習慣に問題があるかのデータとなる。
この違いは重要である。つまり児童・生徒は行く学校を変えても学力は変わらず、生活習慣を変えなければ学力は変わらない
つまり、学校の序列化とは無関係なデータと解釈できる。
また、学力に問題のある児童は家庭の生活習慣に問題があるとなる。現場の教師が狂喜するようなデータだ。


それはともかく、このデータが重要なのはわかるとして、だったらこの質問用紙調査との関連だけ公表すればいいという考えを持つかもしれない。
しかしそれは間違っている。どのデータが重要かを官僚に決めさせることが果たして正しいのか。
どのデータが重要かは公表されたデータを見て我々が議論によって判断すべき問題である。
同様に、どのデータを公表すべきでないのかも一度議論によって判断されるべきである。

自治体間の競争が目的ではない」泉南市教委

自治体間の競争は目的ではない。手段である。もちろん目的化し、成果がでなければ止める必要が出てくるかもしれない。

「公表すれば数字だけに注目が集まり、学習意欲の向上につながらない」岬町教委

直接繋がる訳がないw
岬町の成績が悪かったからといって生徒が勉強しようとか、良かったからもっと勉強しようとか、手を抜こうとか考えるか?
数字に注目が集まるのは事実。そこからどう学習意欲の向上に繋げるにはどうすればいいのかを議論することに繋げるのが目的なのだ。


あくまでも個人的な偏見だが、教育委員会が今回の発表に反対したのは、これらの理由ではなく、
発表することによって、教育委員会への批判のネタが提供されることだと思う。
親が最も感心があるのは学力であり、成績の悪い地域の教育委員会は批判を受けることになる。故に今度の公開には抵抗した、のではないか。
今年度、全国でスポーツテストが行なわれ、恐らくこの結果も公表されるだろう。
この際、各自治体がどういう動きをするのか注目したい。彼らは序列化に繋がるからと結果公表を躊躇うだろうか?
体力テストの結果が悪いからと言って教育委員会が批判を浴びることはあまりないだろう。けれども体力にも序列は存在する。
もしも体力テストの公開に抵抗がなければ、これはダブルスタンダード以外の何物でもないが、果たしてどうなるか。
今回の公表を学力だけを問題しているという批判は、体力テスト結果公表で解決するだろうしな。