あまりTV見ない人ですが

コレは本当に面白かった。

ハイビジョン特集 発見!道具を使うサル
3月7日(金)午後8:00〜9:30 

2004年12月、ブラジルの乾燥地帯で普通のサルが「石を道具として使う」行動を発見したというニュースが世界を驚かせた。石を道具に使うのは人間とチンパンジーなど、高等なものだけと考えられていたサルの常識をくつがえす「世紀の大発見」である。道具を使っていたのは南米で最も広い範囲に分布する体重3キロほどのフサオマキザル。普通、アマゾンなどの熱帯雨林で暮らし果物を主食にしている。道具を使う行動が発見された乾燥した森は、木がまばらで熱帯雨林ほど果物が実らない。そこでフサオマキザルは木から降り、地面になる堅い殻を持つヤシの実に目を付け、殻を割って中身を食べるために石を道具として使う行動を進化させたのだ。二本足で立ち上がり自分の体重の半分、1キロ以上ある石を振り上げて実を割る姿は、まるで私たち人間の祖先が行っていた活動を現代に再現させているようにも見える。
番組では、乾燥地帯を生き抜くためにサルが進化させた驚くべき道具使用の技をハイスピードカメラを使った最新の撮影手法であますところなく紹介するとともに、なぜフサオマキザルが石を道具として使うようになったのか、研究者との同行取材をもとにさまざまな科学的な観点から解き明かしていく。

以前「ダーウィンが来た!」でやってて衝撃を受けたが、
この番組はその詳細版。
取材ウラ日記を見ると、どうもカットしたシーンを全部収録しましたという感じか。
まずチンパンジーよりも遥か前に人類と分岐*1したサルが道具を使っているというのが驚きだ。
興味深いのは、フサオマキザル自体はブラジルのほぼ全域に生息しているが、ジャングルに住むフサオマキザルは道具を使わないところ。
果実が普通に実ってるのでその必要がないとかで。
乾燥地帯にすむ一部のフサオマキザルだけが石を使ってヤシの実を割っているらしい。
これらの群れは結構離れていて、独自に石を使う文化を築いたのではないかと推測されているというからまた凄い。
そして、この石を使う行為が二足歩行を促しているのではという説が出ているというのも人類史を考える上で興味深い。
人類が地上に立ったのはインド大陸ユーラシア大陸に衝突した衝撃でヒマラヤ山脈ができ、
この影響でアフリカが乾燥化したため、樹上の果物だけでは生きていけなくなったからという説と比べても共通点が多い。


さらに言うなら、この動きが実にファニーなのも見てて楽しい。
ボス猿は綺麗なフォームで力強く、確実に実を割っているのに対し、
若い猿はあれやこれや試行錯誤して失敗している様は実に微笑ましい。
動画紹介したいけど、さすがに誰も上げてないなぁ。
というか地上波で再放送してくれんかねNHK

*1:チンパンジーは700〜600万年前、普通のサルは4000万年前